最近の歯医者はリラックス空間になりつつある?

皆さんは歯医者さんに対しどのようなイメージをお持ちでしょうか。「痛い」「怖い」「緊張する」といったネガティブなイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。

面白い調査結果があります。日本私立歯科大学協会の調査結果を見ると、若い世代で歯科医院に対するイメージが大きく変わっていることが分かります。たとえば先ほど挙げた歯医者さんに対するネガティブなイメージのひとつ「痛い」に関して言うと、全年齢の平均は55.9%と、半数以上の方がイメージしています。しかし10代の平均は44.5%と、全体平均と比べて大きな開きがあります。

ほかにも、10代は歯医者さんに対し「リラックスできる」と答える割合がほかの年代に比べて高いなど、歯科治療の場が大きく変化していることがうかがえます。

とはいえ、歯医者さんに長らく行っていないという方や子どもの頃に受けた怖いイメージが残っている方からすれば「歯医者でリラックス?」と疑問に思うことでしょう。そこで今回は実際に複数の歯医者さんが行っている、患者に安心してもらうための取り組みを例に挙げます。歯医者さんの変化を確認してみましょう。

患者に安心してもらうための取り組み例

1.無痛治療を取り入れる

歯科治療には痛みがつきもの、そう思っていませんか?近年の歯科治療では「無痛治療」がスタンダードです。

無痛治療では痛みを感じにくくするために複数の麻酔を併用します。たくさんの麻酔を使って健康に害はないのだろうか?と不安に思われるかもしれませんが、麻酔の量はきちんと計算されており、万が一気分が悪くなったらすぐに治療を取りやめてくれます。危険性はほとんどないと言っても過言ではないでしょう。

麻酔を注射する針が痛い、と思われるかもしれませんが、無痛治療ではまずゼリー状の麻酔を歯茎に塗ります。それから必要な場合は麻酔薬を注入するため、注射時に違和感を覚えることはあっても、痛みを感じることはほぼありません。

2.音楽をかける

人は無音の空間では自然と緊張してしまう傾向があります。そのため、多くの人が好ましいと感じる音楽ジャンルである「イージーリスニング」をかけて、患者さんがリラックスできるよう配慮している歯医者さんが増えています。
イージーリスニングは歯医者さんのほかに商業施設の雰囲気づくりに使われることもあり、他の音楽ジャンルと比べると好き嫌いが分かれにくいのが大きな特徴です。

また、ある程度の雑音があることでより集中できたという経験がある人は少なくないでしょう。歯医者さんでかかっているイージーリスニングには治療を担当する人の集中力を高める効果もあると推測できます。

3.待合室をリラックス空間にする

ユニークな取り組みとして、待合室をサロンのようなリラックス空間にした歯科医院があります。長野県松本市の歯医者(平沼歯科医院:http://hiranuma-dental.com/) では、サロンのような院内と患者さんへの接遇をモットーにしています。病院の待合室にテレビがあることは珍しくありませんが、こちらにはなんとアクアリウムまであります。

吹き抜け構造で外の光がほどよく入り、開放的で明るい空間です。そのため、治療予定時刻よりも早く来る患者さんや、反対に治療後、お待合室で雑誌などを読み、少し落ち着いてから帰宅する患者さんもいるそうです。

以上に挙げた例のほかにも、専門用語を使わずやさしい言葉で治療内容などを説明する、患者さんが本当に理解したかを重視して治療計画を立てる歯医者さんなど、さまざまな取り組みをしています。歯は一生涯使うものですから、歯医者さんへ苦手意識意を持っていたせいで通院していなかったという人は、ぜひお近くの歯科医院の門を叩いてみてください。