私たちは体の具合がよくないと病院に行きますが、私たちが普段病院にいってかかるのは西洋医学です。しかし、医学には東洋医学というものもあるのはご存知でしょうか。今回は東洋医学について触れてみたいと思います。
病院の先生には東洋医学については否定的な意見の先生も少なくはありません。それぐらい病院=西洋医学というのは世界的に見ても当たり前のことになっています。正直、東洋医学にはなんとなく哲学的な部分があることが、科学や化学から派生した西洋医学には受け入れられないのでしょう。例えれば、壊れた歯車を直すためには、西洋医学であれば歯車を取り換えるという方法を取ります。しかし、東洋医学では、なぜ壊れたかをまず考えます。例えばそれが機械の振動が大きかったという原因であれば、機械の振動を抑えることで歯車の不調を安定化させるのです。つまり、即効性があり、第三者からのアプローチで現象を直すのが西洋医学であり、時間をかけて当事者の症状改善を図ることで現象を治めるのが東洋医療ということになります。ちょっと分かりづらいですかね。
東洋医療では、人間の身体に備わる自然治癒力によって症状の改善を図ることが一般的になります。代表的なのが鍼灸医療です。鍼灸は身体に点在するツボを鍼で刺激することで自然治癒力を発動させ身体の不調を改善します。鍼を指すと細胞は「組織を破壊されたと認識し、組織修復のために白血球を送り込みます。結果として血行が良くなり、症状改善に至るというカラクリです。ですから、外科的な傷を伴う怪我などでは直接治すことはありませんが、次のような病気には効果が認められています。
婦人科の病気…生理痛、月経不順、不妊、冷え性、更年期障害、乳腺炎
消化器の病気…便秘、下痢、消化不良、胃酸過多、肝機能障害、胃腸潰瘍
呼吸器の病気…風邪、気管支炎、喘息
神経の病気…頭痛、めまい、不眠、自律神経失調症、神経痛、けいれん、脳卒中後遺症
運動器の病気…腰痛、関節炎、リウマチ、五十肩、腱鞘炎、外傷の後遺症(打撲、骨折、ねんざ、むちうち)
代謝内分泌の病気…貧血、糖尿病、バセドウ病、痛風
循環器の病気…高血圧、低血圧、動悸、息切れ、動脈硬化
など。最近では脳梗塞のリハビリや、不妊治療などにも効果があるとされており、まだまだ可能性は拡大中になります。直接的にオペを施すようなことはありませんが、身体に鍼を刺す行為を治療には伴うため、きちんとした専門職大学などで鍼灸の訓練を積んだうえで、国家資格を取得しなければ鍼灸師にはなりません。例えば、こちらの鍼灸が学べる専門学校では、連携する病院・施設と臨床実習を実施し、高度な教育を施して鍼灸師の育成に努めています。
一説には、鍼灸の適応は「不妊治療」から「終末期医療」まで、人間の一生を網羅できるともいわれていますので、腕のいい鍼灸師と出会えると健康維持も楽になるかもしれません。